「インプラント」を考える

          

 

歯科クリニックの待合室などに、「インプラント」の宣伝ポスターをみかける事があります。

インプラントを気軽な歯科治療として捉えはじめている方も多いのではないでしょうか?

実際に、失った歯を補う為に、インプラントを行うとなると、歯科医師からの詳細な説明を受けるかとは思いますが、インプラントは、見た目の綺麗さが特徴でもあり、自身の歯に近い感覚で比較的自然な義歯を入れる事が可能となりますが、何よりもメンテナンスが重要視される人工歯でもあります。

失った歯の箇所の根元の骨に、チタンなどの人工的な歯の根っこを埋め込んで、さらにその上に、人工的に作った歯を埋め込むのです。

より自分の歯に近い構造となるので、インプラントに魅力を感じる方は多いかもしれませんが、インプラントはその後のお手入れが大変重要視される人工歯になります。

実際に使用している中での、メンテナンスや調整も必要ですから、定期的にかかりつけ歯科に通う必要性もありますし、自宅などでは、毎日欠かさず歯のお手入れが出来る方でないとおススメできません。また、タバコを吸う方のインプラントはNGです。糖尿病の方もNGとなります。

 

 

虫歯リスクと毎日のデンタルケア

 

 

「虫歯リスク」というような言葉を聞いた事はありますか?

「虫歯」が皆さんのお口の中にできるのは、「虫歯菌」がいるというような1つの要因だけで、起っているのではないようです。そこには、「虫歯」が出来上がる環境の要因が揃わないといけないようです。

そのような要因を1つ1つ排除していく事が、虫歯リスクを減らす意味合いにつながっているようです。

では、虫歯のリスクとなる要因をみていきましょう。

●寝る直前の食事(特に甘いもの、甘い飲み物)

●1日中、だらだら食べる(間食が多い)

●ドライマウス(様々な原因から起ります)

●ストレス(特に、慢性的なストレスに注意)

●生活習慣病(運動不足、不規則な生活、睡眠不足) 

上記以外にも、虫歯になるような要因は、日常生活の中に数多くみつかりますが、まずは、虫歯のできる過程において、強い結び付きとなるような要因を、皆さんの生活習慣の中から排除していく事が大切です。

そして、何よりも毎日のデンタルケアによって、お口の中の衛生環境を整えておく事が重要な鍵を握っています。

日常生活の中で当たり前のように、お口の中を清潔に保つ習慣を身につける事で、まずは、虫歯菌を寄せ付けないようにしましょう。

また、お口の中には、常在菌と言いましてたくさんの菌が存在しています。虫歯菌も、その常在菌の1つです。

お口の中にいる虫歯菌は、皆さんが召し上がる食事の糖分を大好物として、その糖分の栄養を利用しながら増殖していきます。ですから、虫歯菌のエサとなってしまわないように、毎日の歯磨きを正しく行わなくてはなりません。

忙しい現代人は、なかなか歯を磨く時間をつくる事も難しいなどと言われていますが、もし、毎度の食後や外出時などに、歯を磨く事が困難であるとしたら、寝る前の歯磨きだけは、十分な時間をとっておくなうように心掛けましょう。

1日に何度も、歯磨きを行う事が難しいのであれば、1日に何度もテキトーな歯磨きを行うよりも、就寝前に丁寧なブラッシングを行う事をおススメする歯科医師も多いようです。

 

 

歯があるという事

 

 

歯は、皆さんの身体の臓器と同様です。

永久歯は生え変わる事はありません。

歯を失ったからといって、部品交換するように新しい歯を、取りつけるような事はできないのです。

ですからデンタルケアを、日々、欠かさずに行う事は大変重要な事柄であるのです。

歯を失う理由として、「虫歯」「歯周病」「ケガ」などがあげられますが、近代的な歯科医療の最新技術においては、自前の歯を失っても、入れ歯やインプラントがあるので、日頃のデンタルケアの重要性に対して希薄な考えをもっているような方々も少なからずいらっしゃるのが現状のようです。

ですが、そのような考えを持つ前に、もう少し「歯」の働きや、その重要性に関心をもった方がよいかと思います。

「歯」が全て抜け落ちてしまったら、私達は十分な食事を摂ることもできません。

それは、十分な栄養素を摂取できない事に繋がります。

また、「歯」を失った事を、コンプレックスとして捉えてしまう人にとっては、人々と対面し会話をする事自体が、苦痛と感じられてしまうかもしれません。

そのような状況では、十分な社会的なコミュニケーションが取れなくなってしまう事も考えられるのです。

「歯」の存在について、今一度考えてみる必要性があるのではないでしょうか。