入歯の個人差は大きい

総入歯になり、「大好きだったお新香やおせんべいが食べられなくなった」という方は沢山います。総入歯で、天然の歯の何%くらいの咀嚼能力を出せるのかを調査した外国の研究があります。その研究結果ではなんと、自分の歯と比較して入歯で70%噛めたという人から、ぴったりの入歯であるのに7%しか噛めなくなったという人まで個人差が大きかったのです。天然の歯の7割も噛めればそれほど文句はないかと思います。しかし、7%ともなるとほとんど思うようには噛められないでしょう。自分に合った歯をつくったにも関わらずこうなのです。土手が低く、ぺちゃんこという方で結果が芳しくない事が多々あるようで、特に下の歯茎がぺちゃんこという方の総入歯はなかなか安定せず噛む力も出せないという事が定石のようです。上あごについても個人差はあるようです。口蓋と言いますが、上あごに真ん中がへこんでいる部分があります。ようは口の中の天井部分が大きく深くへこんでいる方と、生まれつきで平坦という方がいます。入歯では、大きくへこんでいる方の方が向いているとされています。時には口蓋の真ん中に骨の塊(骨隆起)がある方も。これもまた入歯の妨げとなってしまいます。上下に関わらず、土手を覆っている粘膜が厚く、しっかりしている方の方が入歯との相性がよいとされています。しかしどんな方でも、リハビリを上手に積み重ねられれば、少しずつでも咀嚼能率は高める事が可能です。焦らず努力する事が大切だと言えるでしょう。